自分らしさの心理学(1): 私らしさとは?

February 6, 2023

自分らしさとは何でしょうか。私たちは、どの時代でも、自分らしさを追求するのでしょうか。自分らしさを追求していくと、どんなことがあるのでしょうか。今回から始まるコラムでは、私たちがどのようなときに自分らしさを感じ、自分らしさを必要とするのか、そして自分らしさを高める方法について、心理学的に考えていきます。

 

「あなたらしさって何ですか?」と聞かれたら、どのように答えますか?いやいや、そんな質問されることないよ、と思うかもしれません。少し食い下がりますが、就職/転職活動の最終面接で質問されたら、どのように答えますか?

 

この質問にぱっと反応できる人って、サッカーワールドカップに出場できるゴールキーパーくらいすごいと思います。言い換えれば、多くの人にとって、「自分らしさ」は難問になることでしょう。ただ、この「自分らしさ」が高まると、心の健康や、仕事へのやりがいが高まるというのです。詳しくは数回後のコラムで説明します。

もう少し答えやすい問いとしては、長所、短所、などがあります。就職活動のときや、社内研修で、自己分析したことがあるかもしれませんね。持っている資格などは、もっと答えやすくなりますね。

 

それでは、長所や短所と比べて、「自分らしさ」はどうして答えにくいのでしょうか。少し話題はそれますが、答えにくいものには共通の特徴があると考えています。これは私見ですが、「英単語ひとつで表現できないもの」は、日本語でも定義しづらい、ようなんです。

 

例えば、フォーマルな服装は、そのまま Formal です。一方で「渋い服装」の「シブい」は、どのような英語になるでしょうか。ウェブの辞書で探しても、渋い服装、は、なかなか英訳が出てきません。正解はひとつではありませんが、Conservative and Elegant と訳すと伝わりやすいようです。

 

似たような日本語、つまり、ひとつの英単語で表現できないものに、ありのまま、マイペース、などがあります。Let it go! という歌詞が「ありのままでー」と訳されたときは、とても驚きました。とても日本語的で、かつ、「多くの人に届く」言葉だったからです。

 

このように、「私らしさ」という言葉は、多くの人に届く、その反面、「自分らしさ」について聞かれると、答えにくいことが分かりました。ある意味、自分らしさが見つかりにくいのは自然なことで、思春期あたりで、この問いについて深く考え、しばしば行き詰まるのも、自然なことかもしれません。

 

次回からは、自分らしさ、について考察を深めつつ、自分らしさが持つ「機能」、つまり、自分らしさが見つかると何がいいのか、あるいは何か弊害があるのか、書いていきます。

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