病気に対する不安が持続するのは、このようなメカニズムだと考えられています:
1) 身体に生じる「雑音」に耳を済ませて
2) 「もしかしたら重篤な病気ではないか」と心配し
3) 診察、検査、自己点検を繰り返したり、 健康を損ないかねない活動を避けてしまう
前回は、病気不安を持つ人が、身体に生じる雑音をどのように聞くのか、特に、重篤な病気のサインではないかと心配してしまうことがわかりました。今回は、高まった不安に対処するために、どのような用心をするのかまとめます。
まず、いつもより増える行動として:
• 自己点検が増える-例えば、尿や便の色や臭いをチェックする
• 体温や血圧を測る
• 皮膚のある箇所をつつく、ひっかく
• 違和感がなくなるまで、つばを飲み込む
• 記憶力を確かめる
などがあります。より専門的に
• 医師の診察を受け大丈夫か何度も聞く
• インターネットで病気について詳しく調べる
• 医療機関で検査を繰り返し求める
• 業者が提供している医学的検査を受ける
病気不安を持つ者が医療機関でどのように振る舞うのか、ウッディーアレン監督が、見事に演じた短い動画があります
https://www.youtube.com/watch?v=Phw-rvOp4oY
いっぽう、いつもより減る行動もあります:
• 厳格な食生活に従い、「健康食品」だけ食べる、ジャンクフードを避ける
• エクササイズ(運動)を避ける、疲れるとすぐに休む
• カゼ気味の人を避ける、病院の近くを避ける
このような用心は、非常事態でコロナを予防するうえでは効果があるかもしれません。いっぽうで、コロナがなくなり常時に戻ったあと、このような用心を続けることで、どのような影響が出るでしょうか。
文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修