コロナと病気不安(3)-病気不安になりやすい人の特徴

June 23, 2020

病気不安は、このような特徴を持つ心理学的な問題です。

·      健康や病気に関して、強い心配が続き

·      病気のことが心配で、勉強、仕事、家事が手につかない

·      楽しみとやりがいが生活から奪われてしまう

·      診察や検査を繰り返すことで、必要以上に医療費がかかる

 

今後、コロナが終息すれば、私たちの病気に対する不安が下がり、予防行動の頻度と程度が下がり、日常を取り戻していくでしょう。一方で、病気不安を持つ人たちは、病気に対する強い不安が持続するため、予防行動の頻度と程度が変わりません。それではどのような人たちが、強い不安を持ち続け、病気不安になってしまうのでしょうか。

 

その前に、病気不安を持っていたと想定される、有名人についてまとめておきましょう。

·         看護師のナイチンゲール: さまざまな病気に対する恐怖を持っていた

·         進化論者のダーウィン: 疲労感と腹痛へのとらわれに苦しんでいた

·         哲学者のカント: 呼吸と頭痛へのとらわれに苦しんでいた

·         政治家のヒトラー: 咽頭癌があるという確信を持ち続けていた

 

それでは、病気不安になりやすい人の特徴を5つ紹介します。まず、「幼いときに、重病を患った家族がいた」というケース。家族がとても苦しんでいて、ずっと入院している、家にいるけれど寝たきり、という光景は、それだけで子どもにとっては衝撃があります。さらに、病名や診断、どうすれば回復するのか、いつになれば回復するのか、正確に理解することが難しいため、その家族が「常に死と隣り合わせ」であるかのように感じてしまい、全ての病気に対する恐怖が強くなります。

一方で、「健康に関して過保護な環境で育った」「親族の死、葬儀、病気から、いつも遠ざけられていた」というケースもあります。私たちは、心身の健康を維持しながらも、不調とうまくつきあって生活していくことを学びながら大人になります。後者が足りなくなってしまうと、ちょっとした身体の異変に過剰に反応してしまったり、どのような病気でも重病に思えるようになってしまうため、病気に対する不安が強くなってしまいます。

最後に、「 子どものころ、自分自身が重病を患っていた」「大人になってから誤診され危うく命を落とすところだった」というケース。前者の場合は、病気に対する自分の無力感を持つようになり、後者の場合、慎重に正確に情報を伝えなければ医師が判断を謝ると考えるようになります。

 

このような特徴を持つ人たちが、健康に関する大きなできごと...例えばコロナのようなパンデミック、原子力発電のメルトダウン、医学研修、近親者の死...を体験することで、病気に対する不安がとても高くなります。

 

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文:国際医療福祉大学 赤坂心理学科 HIKARI Lab監修 小堀修

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